dZEROの「d」と、dze.roの「ro」

d

dZEROの「d」には意味がある。ところが、この社名の由来を聞かれることは皆無に等しい。

あまり聞かれないと、こっちから言いたくなるもので、あちらこちらで説明したりもしている。だから知っている人がいないわけではないが、そもそも、私たちの社名にだれも関心を示していないから聞いてこない、というだけかもしれない。
しかし、それにしても、あまりに聞かれない。dZERO設立について業界紙などから何度かインタビューを受けたが、そのときにも社名の由来は聞かれていない。

亜紀書房ZERO事業部が独立してdZEROとなったわけだから、ZEROはそこから来ていて、このサイトのどこかでもその意味らしきことの説明もしている。だからだれも聞かないのはわかるのだが、「じゃあ、頭についたdの意味は?」と疑問がわく人がいてもいい。

それなのに、なぜ、だれも聞かないのか。

想像するに、
「dZEROか。デジタルの0と1、それにdigitalの頭文字の d をつけたんだろうなあ。いまどきdigitalを標榜するなんてセンスないし、安直だなあ」
などと思っているに違いない。無理もない。ごもっとも。

ro

実際、この社名の安直さを物語るように、日本だけでなく海外でも同名の団体が多いようで、ドメイン名を取得しようにも、dzeroが入るものは、dzero.co.jp、dzero.jp、dzero.com、dzero.net……等々、変化球も含めてすべてふさがっていた。

ではどうするか。dZEROに余計なものは付けたくないし、法人登記は済ませたから社名を変える気にはなれないし……と一同思案していると、天から声がした。

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dZERO発行の第一弾は、岡江晃著『統合失調症の責任能力 なぜ罪が軽くなるのか』

「ルーマニアのドメインにすればいいじゃないですか」
「は?」
「ドットアールオーですよ。きっとあいてますよ」
「へ?」
「dze.ro。短くてカッコイイじゃないですか」
「ほ~!」

というわけで、dZEROのドメイン名はdze.roとなった。天の声の主は、dZEROのウェブデザインや本の装丁をお願いしているTakenori Oshimaさんだ。バンド「センカヲス」のリーダーとしても忙しいのに、マルチタレント&マルチタスク、24時間365日対応でdZEROを支えてくれている。

天からの声のおかげで、d の由来は聞かれなくても、ro については聞かれる。正確にいえば、電話でドメインを伝えると、何度もドットの位置を確認される。名刺も誤植ではないかと聞かれたりする。結果、ro の由来は d の由来よりも広まることとなった。

話を元に戻す。
dZEROの「d」にはどんな意味があるのか。教(おせ)えねえ。
と、ここまで書けば、わかった人は大勢いるはず。

(dZERO代表取締役)