イノベーターの至言

はじめに 言葉は思考のセンスを磨くツール

 仕事や日常生活など、人生で必要なことは自分の経験、とくに失敗から学ぶのが一番ですが、それにはあまりに時間がかかります。そこで擬似体験、あるいは間接経験として他人の話や本が参考になりますが、これとてそれなりに時間がかかります。そこでこれらをさらに凝縮したものが「至言(しげん)」ということになります。

 「言葉」には、人間の知識や思考が凝縮され、その話し手の経験やスキルが反映されるものです。特に短い言葉で巧妙な表現をするには、次の3段階の能力が必要になります。

 ①さまざまな経験によって学ぶ能力
 ②経験で学んだことを一般化/抽象化する能力
 ③一般化/抽象化したことを卑近な言葉で表現する能力

 したがって「言葉」は、思考のセンスを磨くツールとしても、非常に有効なものだといえます。
 本連載ではそうした観点から選んだ至言を、私自身がビジネスや日常生活で経験・学習してきた事象と結びつけながら解説していきたいと思います。

 世の中で尖(とが)った業績を上げている人の思考回路は驚くほど似ているもので、そのエッセンスは実はそれほど多くはないと思っています。この連載では、「表現は違(たが)えどメッセージは同じ」、つまり「実は同じことを言っている」類の複数の至言を何らかの軸で分類していく作業もしていきたいと考えています。

(次回公開予定:2012年7月20日)

2012年6月20日更新

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