前回は、落語鑑賞に慣れたベテランの観客が、ポイントとなる情報を容易に拾い出すという熟達の一面を論じた。 今回は、観客がどのように落語を見ているのか、その没頭体験を予測することについて述べていく。 見巧者の憂鬱 落語に限ら […]
著者: 野村亮太
第13回 落語初心者が体験する35分後の変化
前回は、古典芸能としての落語という側面に比べて、見落とされがちな落語の現代性について論じた。 今回は、鑑賞者としての観客が熟達し、見巧者になるとはどういうことかについて論じる。 Frontiers in Psycholo […]
第12回 古典落語が備える現代性
前回は「噺家(はなしか)共同体」における師弟関係と学びの哲学を論じた。 今回は、落語の現代性について論じる。なぜ古典落語はよく見聞きするのに、現代落語という表現はそれほど定着しないのだろうか。 談志師の『現代落語論』 巷 […]
第11回 噺家共同体における「学び」の共有
前回は、落語『千早振る(ちはやふる)』を事例に取り上げて、語りの方略の実際をとくに笑い終わり待ちの間(ま)に触れて見てきた。 今回は、落語における師弟関係とその背景にある学びの哲学について論じていく。 「知る」のレベル […]
第11回 噺家共同体における「学び」の共有
前回は、落語『千早振る(ちはやふる)』を事例に取り上げて、語りの方略の実際をとくに笑い終わり待ちの間(ま)に触れて見てきた。 今回は、落語における師弟関係とその背景にある学びの哲学について論じていく。 「知る」のレベル […]
第10回 語りの方略「待ちの間(ま)」
前回は、落語の「スクリプト」がどのように生み出されており、そこではどんな「語りの方略(演じ方の工夫)」が使われているのかをみてきた。 今回は、熟達した噺家が何をしているのかを明らかにするために、いわゆる落語の「間(ま)」 […]
実験寄席番外編 JINS MEME×落語会
dZEROサイトで「やわらかな知性~認知科学から視た落語」を連載中の野村亮太さんが、メガネブランド「JINS(ジーンズ)」とコラボした実験寄席を開催します。 仕事中の眼の疲労度や、運転中の眠気、活動量などが計測・警告でき […]
第9回 小三治『千早振る』の構造分析
前回は、フレームとスクリプトが噺(はなし)のなかでどのように活用されているのかを概観した。 今回は、古典落語『千早振る(ちはやふる)』を取り上げ、前回、前々回に説明したスキーマやフレーム、スクリプトの観点から噺の構造を明 […]
第8回 落語とフレームとスクリプトの関係
前回は、落語を楽しむ観客の「やわらかな知性」にまつわる各論に触れた。とくに、「スキーマ」という概念に基づいて落語のおかしさについて論じたが、今回は、同じく認知心理学の基本的な概念である「スクリプト」と「フレーム」の観点か […]
第7回 『蒟蒻問答』をスキーマで読み解く
前回までは、落語を観る観客の「まばたき同期」に注目することで、噺家(はなしか)のうまさを客観的に検討していけることを論じてきた。 今回からは、落語を楽しむやわらかな知性にまつわる各論に触れていく。まずは、認知心理学の基本 […]