検察の思考と裁判官の意識構造の関係 前稿で,裁判所が,外国人とりわけ非欧米人に対する差別と親和的な深層心理を持っていることを私が疑う理由について述べたが,別の理由は次の通りである。 それは,世論を重視する検察と,その検察 […]
ミャンマーへの道
第14回 「裁判所の判断」と「世間の潮流」 − 日本人による外国人差別(6)
欧米重視の深層心理 前稿では、「東電女性従業員殺害事件」の被告人であったネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏が、第一審で無罪判決を得て解放されたにもかかわらず、東京高等裁判所の決定によって再度勾留(こうりゅう、身柄の […]
第13回 東電OL殺人事件、被告の再勾留をめぐって − 日本人による外国人差別(5)
無罪のまま勾留 1997年(平成9年)3月、東京・渋谷区のアパートで、東京電力の女性従業員が何者かに殺害された事件についてはご存知、ご記憶の方も多いと思う。「東電OL殺人事件」とか「東電女性従業員殺害事件」といった名称の […]
第12回 アジアやアフリカから学ぼうとしないのはなぜか − 日本人による外国人差別(4)
「正当な英語」をしゃべる外国人だったなら さる8月14日に興味深いニュースに接した。茨城県警牛久(うしく)警察署の警察官による職務質問で、片言の日本語しかしゃべれないフィリピン出身の男性がパスポートを所持していなかったの […]
第11回 とりわけアジア人とアフリカ人を差別する理由 − 日本人による外国人差別(3)
前稿の最終部分で、日本人の配偶者であった外国人に対する相続問題についての差別が、外国人一般に対してのものではなく、中でもアジアやアフリカの出身者に向けられたものではないか、との見解を示した。つまり、日本において、アジアや […]
第10回 日本人と婚姻したミャンマー人女性の相続問題 − 日本人による外国人差別(2)
権利放棄を迫る兄弟姉妹 私が代理人弁護士としてミャンマー人から委任を受けた事案で、日本人による外国人に対する差別意識が伏在していると思われるものがいくつかある。弁護士としての職業倫理上守秘義務を負っているため詳細は明らか […]
第9回 入国管理局職員の深層心理 − 日本人による外国人差別(1)
ガーナ人男性の死と500万円の損害賠償 本稿から何度かにわたって、日本人による外国人差別について記し、その中でミャンマー人に対する差別についても論じてみたい。 私が、日本人による外国人差別の比較的新しい例として想起するの […]
第8回 戦乱の記憶
街中の軍隊 2年前(2012年)にミャンマーを訪れ、ヤンゴンから北へ1時間半ほどのバゴーという都市へ向かって幹線道路を走っていると、道の脇に数台の真っ黒な装甲車と、やはり真っ黒な制服を着た数十人を数える軍人が現れた。日本 […]
第7回 未来に向かって変化、成長していく言語 − 可能性としての「ミャンマー文字アルファベット化」論(3)
「非経済的な」「採算のとれない」文化が淘汰される可能性 ミャンマー人二人を選んで、自分の母語の文字が完全にアルファベット化されたらどう思うか、という質問を投げかけてみた。仮定の話なので想像しにくいようであったが、次のよう […]
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第6回 「零細」文化から復権の機会を奪うアルファベット化 − 可能性としての「ミャンマー文字アルファベット化」論(2)
ひとつの言語をすべてアルファベットによって表記し、その言語固有の文字を廃することに、どのような長所・短所があるだろうか。身近な日本語がすべてアルファベット(ローマ字)表記になった場合を想定して考えてみる。 「国際化」を目 […]
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第5回 自国の難解文字を廃絶する言語革命はありうるか − 可能性としての「ミャンマー文字アルファベット化」論(1)
暗澹たる気持ちになる難解さ ミャンマー人に対してミャンマー語を習っていることを伝えると、異口同音に言われることの一つに、「ミャンマー文字は難解だろう」という指摘がある。 確かにミャンマー文字は難しい。初めてミャンマー文字 […]
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第4回 文化に優劣はあるのか
なぜミャンマー人は自国を小国と考えるのだろうか。 もちろん、ミャンマー人自身も、日本の2倍近い国土を有し6000万もの人口を擁する自国を、物理的に矮小(わいしょう)な国だと認識しているわけではないだろう。ある意味比喩的に […]
第3回 3度の頓挫を越えて
前回の記事でミャンマー語を習い始めたと書いたが、実は現在勉強は頓挫(とんざ)している。2012年9月に受講を開始したものの、11月から1年間強、司法修習のため大阪に滞在することとなったので学習を中断したのが最初の頓挫であ […]
第2回 「会話より文字」でミャンマー語を学ぶ
2009年9月、法務省のホームページで発表された合格者の受験番号の中に、自分の番号があることを確認した後、早速ミャンマー語学校を探し始めた。都内には、少ないながらもいくつかミャンマー語教室があるようである。 私はインター […]
第1回 司法試験とミャンマー料理店
私とミャンマーとの出会いは、ほんの些末(さまつ)な出来事を契機とした。それは2006年のことと記憶する。私は当時、18年間勤めた酒とジュースの会社を辞め、法科大学院に入学して法律の勉強に初めて取り組む、司法試験受験生であ […]